@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00010351, author = {金, 天海 and 山崎, 由美子 and 菅野, 重樹}, issue = {6}, journal = {電子情報通信学会論文誌 A}, month = {Jun}, note = {人の認識システムがもつ柔軟さはヒューマンロボットインタラクションにおけるシナリオのデザインを困難なものとする場合がある.特に近年開発が進んでいる再構成可能な身体をもつロボットなどでは,ロボットの「物理的な身体の境界(物理境界Physical Boundary)」と「エージェントとしての境界(エージェント境界Agent Boundary)」とが異なる境界として認識される可能性があり,インタラクションシナリオの構成が困難となることが予想される.ロボティクスの分野では人の認識システムがもつこの種の柔軟さはほとんど議論されていない.また,心理学の分野では人が抱く自身に対するエージェント性や身体保有感はよく議論されているが,ロボットの身体に対して人間が抱く認識の研究は進んでいない.本論文では,ロボットに対する身体境界の認識に関連した二つの仮説を検証する.一つ目の仮説は「エージェント境界の認識はロボットを取り巻くコンテクストに依存する」(仮説1)であり,二つ目の仮説は「エージェント境界の認識は可制御である」(仮説2)である.現在,多くのロボット設計者は物理境界とエージェント境界が一致するという仮説(仮説3)のもとインタラクションシナリオを設計しているが,仮説1-2が正しければ仮説3は棄却され,新たな設計手法の構築が求められることになる.本実験には18-27歳の男女60名が被験者として参加し,それぞれの被験者は様々なコンテクストのもとあるロボットとのインタラクションを行った.インタラクションの中でこのロボットは「ワタシヲ スコシ ヨコニ ズラシテクダサイ」というメッセージを見せた.各被験者に対して,この文中にある「ワタシ」が何に対応するとして認識されたのかを調べるために,被験者の行った行動を観察するとともに,実験後にはアンケートを実施した.あるコンテクストにおいてある被験者(被験者1)はロボットが置かれたテーブルを動かした.別のコンテクストにおいて別の被験者(被験者2)はテーブルに置かれたロボットを動かした.アンケートにおいて被験者1はロボットが見せた動作はテーブルが行った感情表現であると答えた.これらの実験結果から仮説1-2はいずれも真であることが分かった.また,エージェント境界の認識に特に強い影響を与えるコンテクストは環境の未知性であることが示唆された.}, pages = {411--417}, title = {人間・ロボット間インタラクションにおけるエージェント像認識の揺らぎ}, volume = {J97-A}, year = {2014} }