@phdthesis{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00010419, author = {Sirawit, Teeranutranont}, month = {}, note = {本論文は、干渉計測と計算処理に基づいて、一般的な3次元多色物体のもつ3次元情報と連続スペクトル情報を同時取得するディジタル分光ホログラフィー(Digital holographic 3-D imaging spectrometry)の手法を実験的に検証し、この手法により取得された3次元分光画像の3次元結像特性の研究をまとめたものである。 本論文で述べる分光立体(3次元)計算イメージング技術であるディジタル分光ホログラフィーの特徴は、測定の際にレーザーのようなコヒーレント光を使用せず、また特別な分光素子や結像素子も不要である点であり、原理的に多色光源から伝搬したインコヒーレント光の干渉計測と信号処理のみによって、3次元空間情報と連続スペクトル情報が取得可能である。 本手法では、回転シアリング干渉計をベースとした光学系である2光波折り畳み干渉計を用い、測定対象である時間・空間的にインコヒーレントな一般の多色物体から伝搬した光波に対し、干渉計測をおこない、5次元のインターフェログラムを取得する。この5次元インターフェログラムに対して合成開口処理を適用することにより、体積型(3-D)のインターフェログラムを得る。次に、この体積インターフェログラムに対し、分光処理を行うことにより2次元の相互スペクトル密度のデータセットを取得する。これらの相互スペクトル密度は、各波長成分毎の複素インコヒーレントホログラムと同等な物体情報を持っており、これらの複素ホログラムから個別に再生処理を行うことで物体の各波長成分に対応した物体の3次元分光立体画像のセットが得られる。 第1章では、本研究の背景、目的、ならびに本論文の構成、概要について述べる。 第2章では、光波の基本的性質について述べ、光波の数学的記述を示す。また、本研究と関連の深い先行知見としてフーリエ分光法(Fourier Transform Spectroscopy)、ファンシッタート・ゼルニケの定理(Van Cittert–Zernike Theorem)について説明する。さらに、3次元空間コヒーレンス関数を計測する概念及び具体的手法について触れ、これらを利用した多重分光立体画像の再生手法について述べる。 第3章では、本研究で利用する2光波折り畳み干渉計について説明し、この実験系によって取得されるインターフェログラム・空間コヒーレンス関数の数学的記述について示す。そして、このインターフェログラムに適用する合成開口処理について述べ、さらに3次元分光立体画像を取得する処理について説明する。 第4章では、本手法の実験的検証として、空間的に3次元形状と連続スペクトル形状が異なるインコヒーレントな多色物体の実験結果を示す。この実験では、測定対象として、互いに異なる連続スペクトルを有し、かつ空間的に異なる位置及び奥行きに配置された複数の面光源を作成し、それらの3次元空間情報と連続スペクトル情報(3次元分光立体画像)を同時かつ独立に取得できることを確認した。 第5章では、第4章で得られた手法によって、空間的にインコヒーレントなスペクトル成分毎の3次元像を解析し、この像上の任意の点における連続スペクトルの再生が可能であることを確認した。また、分光された3次元像の3次元イメージングに関する分光特性及び3次元結像特性に関して実験的に調べ、インコヒーレントホログラフィーの3次元結像特性、特に奥行き方向の結像特性に関し考察した。さらに、この手法において相互スペクトル密度に記録された光源の可干渉領域(コヒーレンスエリア)が、分光された3次元再生像における空間分解能に与える影響を調べる実験を行い、その実験結果に基づいて考察した。 その結果、物体から伝搬した光波の観測面における可干渉領域は光源の距離・大きさに依存して変化し、また再生像はこの可干渉領域から逆伝搬した光による寄与が大部分を占めるが, 横方向の分解能は可干渉領域の広がりで決定されるものではないことがわかった。再生像の横方向分解能を実質的に決定する要因は、空間相関関数の大きさと雑音の大きさが等しくなる程度の観測領域(開口)の広がりである。同様に、奥行き分解能もこの観測領域の広がりによって決まると考えられた。 第6章では、研究を統括し、総合的な見地から考察を行う。そして、 今後の検討課題についても触れる。}, school = {岩手大学}, title = {A research on digital holographic three-dimensional imaging spectrometry}, year = {2015} }