@phdthesis{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00010421, author = {橋本, 哲弥}, month = {}, note = {全干渉型3次元イメージング分光法は,測定対象から伝搬した光波の干渉計測によって連続した波長成分毎の3次元空間情報(分光立体画像)を取得する計算イメージングの手法である.この手法の特徴は,特別な分光素子や結像素子を使用しないため幅広い電磁波の波長帯域で適用可能であること,また可変波長レーザーや超短パルスレーザー等の特別な光源を要求しないため,適用分野に関する制約が少ないことが挙げられる.従来,この手法による分光立体画像の取得は,干渉計測による5次元インターフェログラムと呼ばれる5つのパラメータを持つ干渉縞画像のデータセットの取得,合成開口処理による体積インターフェログラムへの次元圧縮,分光処理による連続した波長バンドごとの相互スペクトル密度の回復,そして再生処理による波長バンド毎の3次元空間情報の再生という4つのステップで達成される.合成開口処理により作られる体積インターフェログラムは光波の波面形状を反映させた干渉縞パターンが記録されており,この再生処理は複素ホログラムによる3次元像再生と同様に扱っていた.この体積インターフェログラムを球面波型体積インターフェログラムと呼ぶ.今回,この球面波型体積インターフェログラムとは異なる合成開口処理により従来のものと異なる干渉縞パターンを持つ体積インターフェログラムが発見された.これを双曲面型体積インターフェログラムと呼ぶ.本論文は双曲面型体積インターフェログラムを利用した全干渉型3次元イメージング分光法について述べたものである. 以下に,本論文の構成を示す. 第1章では,本研究の背景として全干渉型3次元イメージング分光法の従来研究及び研究の現状について説明し,本研究の目的について述べた. 第2章では,光波の一般的な数学的記述と,干渉計測と信号処理による分光立体画像取得のための,3次元空間コヒーレンス関数計測の概念及び分光立体画像の再生について述べた. 第3章では,2光波折り畳み干渉計と双曲面型体積インターフェログラムを用いた分光立体画像取得法を提案し,特徴について述べた.双曲面型体積インターフェログラムに記録されている干渉縞パターンは物体から伝搬する波面形状を直接には反映しないが,適切な再生処理により測定対象の分光立体画像の再生が可能である.また,提案手法により3次元的に異なる位置に配置された2つの異なる連続スペクトルを有する面光源から分光立体画像を取得できることを実験的に検証した.また,再生される分光立体画像は球面波型体積インターフェログラムを利用する方法と同等な再生特性を有することを確認した. 第4章では,第3章で示した合成開口処理の特徴に注目し,単一検出器により双曲面型体積インターフェログラムを直接取得する干渉計を提案した.この干渉計は従来のように測定対象をステージで移動させる必要がなく,撮像素子も必要としない.単一光検出器で測定された干渉強度をステージの移動に従って時系列的に3次元空間に配列するだけで双曲面型体積インターフェログラムが得られる.そのため,測定対象に関する制約が大幅に緩和される.また,従来の手法と比べ,取得されるデータ量が少なく,処理時間も短い. 第5章では,第4章で提案した干渉計を試作し,実験的検証を行った結果について述べた.また,計測された体積インターフェログラムから干渉計の残留位相を補償して分光立体画像を再生する方法を提案した. この手法は双曲面型体積インターフェログラムを測定する際,同時に干渉計の残留位相分布も測定し,各波長分布に分解された複素ホログラムの位相分布から,残留位相分布を差し引くことによって達成される. 第6章では,第5章で提案した残留位相補償法を適用した双曲面型体積インターフェログラムを直接取得する干渉計により,白色点光源の分光立体画像を取得できることを実験的に確認した. 第7章では,研究成果及び今後の展望についてまとめた.干渉計で取得されるデータの品質を高め,性能を向上させることが今後の課題である.これを達成する方法として,広帯域ヘテロダイン変調干渉計を用いて干渉光をヘテロダイン検出することで,干渉光を高感度に検出する光学システムについてのアイデアを述べた.ヘテロダイン変調された干渉信号は狭帯域フィルターを通すことにより検出感度をショットノイズ限界まで高めることが原理的に可能である.}, school = {岩手大学}, title = {双曲面型体積インターフェログラムを利用した全干渉型3次元イメージング分光法の研究}, year = {2015} }