@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00010883, author = {藤井, 義久}, journal = {岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要, The journal of Clinical Research Center for Child Development and Educational Practices}, month = {Mar}, note = {内閣府(2013)の調査によれば,我が国における交通事故発生件数は,平成24年度,66万5,138件で,前年度よりも2万6,918名,率にして3.9%減で,8年連続で減少している。それに関連して,我が国における交通事故死者数も,平成24年度,4411名で,前年度よりも201名,率にして4.4%減で,12年連続で減少している。すでに明らかになっている全国の交通事故発生件数及び交通事故死者数だけから見れば,警視庁を初めとする関係諸機関が交通安全計画に基づく諸対策を総合的に推進してきた効果が着実に上がってきていると言える。しかし,その一方で,昨今,通学中の児童の列に車が突っ込んで多数の死傷者を出した交通事故なども連続して発生してきており,ドライバーの不注意によって尊い命が多数失われる極めて重大な交通事故が後を絶たない状況である。  そのような交通事故が発生する原因について,Shinar(1985)は,自動車や道路そのものに問題があり発生している交通事故は少数であり,多くは運転者に起因していると述べている。さらに,小林・相部(1980)によれば,交通事故における人間要因の占める割合は,多くの分析において80%を超えていると報告している。そうしたドライバー自身のヒューマンエラーをどう防ぐかが,我が国における交通事故発生件数をさらに減らすためにも,今後ますます重要な課題になってくると考えられる。  そうしたヒューマンエラーの発生に個人の感情が大きく関与していることは,多くの研究から明らかになってきている。例えば、羽石・上野・西川(1983)は,情緒が安定し,社会適応性の高い人ほど安全運転をしていることを明らかにしている。Broadbent et al.(1982)や山田(1991)は,ネガテイブ感情とエラー発生頻度との間に正の関連を見いだしている。また,澤(1997)は,感情が極端化することによって,ドライバーは危険な運転態度に陥り,それがある種の思い込みを生じさせたり,人間が持っている自動車の操作能力の限界を超えさせてしまうために交通事故が起こると指摘している。また,三隅・丸山・正田(1988)は,交通事故者の特徴を“情緒安定性”,“自己中心性”,“衝動性”という3つの特性で概ね整理できるとしている。さらに,松永(1985)は,強い焦燥的性格を持つ運転者には事故経験者の多いことを明らかにしている。これらの研究から,交通事故の発生と運転中におけるドライバーの感情とは密接に関連しているものと考えられる。従って,警察庁交通局(1992)の運転者教育の提言において述べられているように,交通事故の発生を減らすために,運転者教育の中で,運転時における心の抑制に関する教育訓練を積極的に行っていかなければならないと考えられる。そのためにも,運転中におけるドライバーの感情に焦点を当てた研究を行っていく必要があるが,そうした研究は極めて少ないのが現状である。そのような現状の中で,丸山(1995)は,交通事故を起こしやすい人の特性の1つとして,一時的な興奮が抑えられない衝動的な傾向である“かっとなる特性”を挙げている。  そこで,本研究では,交通事故発生とも密接に関連していると考えられる運転中の怒り感情とその対処行動について分析することを通して,どうすれば運転中の怒り感情を減らし,交通事故を未然に防ぐことが出来るのか,検討することにした。}, pages = {253--263}, title = {ドライバーの怒り感情とその対処行動に関する研究}, volume = {13}, year = {2014} }