@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00010956, author = {佐藤, 眞}, journal = {岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要, The journal of Clinical Research Center for Child Development and Educational Practices}, month = {Mar}, note = {2008年9月、アメリカ発「リーマン・ショック」は、2007年秋からの景気後退過程に入っていた日本経済に追い打ちをかけることになった。「2008年以降、有効求人倍率は大幅に低下し、完全失業率も大幅に上昇した。完全失業率は2009年7月に過去最悪の5.6%まで上昇し、有効求人倍率は8月に過去最低の0.42倍となった」(『平成22年版労働経済白書』)。まさに、「百年に一度の『未曾有』の」経済危機に見舞われ、我が国の雇用情勢は急速に悪化した。1990年代半ば以降急増した非正規雇用、なかでも派遣労働者の大量解雇が相次ぎ、2008年から全国規模で大量の解雇・雇止めが実施されてきている。また、世帯主失業の増加、失業の長期化にもかかわらず、失業給付の受給者割合の低下は先進資本主義国の中でも際立っている。急速に進行する雇用・失業情勢の悪化は、不安定就業者の増大に一層拍車をかけ、労働者生活に深刻な影響をもたらしている。  本稿は、こうした厳しい雇用状況下で、学校から職業社会へ歩みだそうとする新規学卒を取り巻く日本の労働市場、とりわけ若年労働市場の変容について考察することにある。  近年、「生きる力」、「職業観・勤労観の育成」を謳う「キャリア教育」が推進されてきている。それはあたかも、教育現場そして若年労働市場における諸問題への「処方箋」のごとき意義と任務を付与されているかのごとき感がある。「生きる力」等、これら曖昧模糊としたスローガンに象徴される「キャリア教育」の現実は、その意図はともかく、本稿が分析対象とする学校から職業社会への移行に関する諸問題について、焦点をぼやけたものに拡散あるいは「そらす」危険を内包するものではないか、という危惧の念が払拭しえない。  2011 年1月31 日、中央教育審議会答申(案)「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」が出された。瞥見する限り、ここで述べられている、若者の「社会的自立・職業的自立」、「学校から社会・職業への円滑な移行」を可能にするための「キャリア教育」が強調されているものの、さきに述べた懸念は拭いきれない。  生徒・学生を待ちうける今日の職業社会は、増大するワーキングプア、大量のフリーターの存在を前提としている。こうした問題意識のもと、本稿は岩手県の若年労働市場とりわけ新規学卒労働市場に焦点を当て、その特質の一端を統計資料の検討を通じて解明しようとするものである。その作業は、現下の変容著しい職業社会・企業社会で生きていくうえで求められる、リアリティのある職業指導・職業教育(「キャリア教育」)を考える際の、何がしかのヒントが得られるのではないかとの思いからでもある。}, pages = {37--47}, title = {学卒労働市場の変容と若年不安定就業問題 : 岩手県における新規高卒就職者の労働市場分析}, volume = {10}, year = {2011} }