@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00011213, author = {中村, 一基}, journal = {教育工学研究}, month = {Mar}, note = {民話「笠地蔵」は,民話教材「かさこ地蔵」(岩崎京子再話)として現在使用されている全ての小学校二年国語教科書に入っている。民話教材「かさこ地蔵」が民話「笠地蔵」伝承のどの位置を占めているのかを明確にするために,民話「笠地蔵」の〔構成要素〕と〔変容過程〕について考察を行った。民話「笠地蔵」はいくつかの諸型を持っているが,本稿では最も全国的に分布している〔来訪型〕(民話教材「かさこ地蔵」も同型)を,特に岩手県に残る伝承を中心に考察を行った。〔構成要素〕の考察の視点としては,爺の慈悲深さと其に対する婆の態度(喜ぶ,怒る)とに着目した。その結果,婆の喜びの感情の底に〔締念〕が,また怒りの感情の底に単に〔欲心〕として片づけられない〔現世利益を願う心〕が,爺の地蔵信仰と婆の生活意識との対時関係という形で明確になった。とりわけ,〔変容過程〕の問題では,岩手にも伝承を持つ「布地蔵」の存在が〔笠〕に呪的な意味を持たせた〔歳神来訪信仰〕型「笠地蔵」から,〔地蔵信仰〕型「笠地蔵」への変容を,また婆の提供した〔布〕が交換価値を有する事によって,爺の慈悲深さが婆と一層の軋轢を生じる形で〔地蔵信仰〕型「笠地蔵」への変容が完成していった事を明確にした。また以上の考察から,民話教材「かさこ地蔵」が爺の地蔵信仰と婆の生活意識とが亀裂をあらわにする前段階の位置を占めるものである事が明確になった。}, pages = {55--62}, title = {民話「笠地蔵」の〔構成要素〕〔変容過程〕考 : 岩手の伝承を中心に}, volume = {10}, year = {1988} }