@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00011354, author = {宮崎, 眞 and 下平, 弥生 and 太田, 和人 and 玉澤, 里朱}, journal = {岩手大学教育学部研究年報}, month = {Feb}, note = {平成20(2008)年1月文部科学省中央教育審議会は「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善について」(答申)をとりまとめた。この答申は、すでに2月に公表された幼稚園、小学校及び中学校学習指導要領に続きすぐにも公表される次期特別支援学校学習指導要領の基本的な考え方を示している。この答申の特別支援教育の箇所において、現行の自立活動の内容5区分(健康の保持、心理的な安定、環境の把握、身体の動き、コミュニケーション)22項目に加え、新たな区分「人間関係の形成」を設けるとしている。また、「…自閉症、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)等も含む多様な障害に応じた適切な指導を一層充実させるため、他者とのかかわり、他者の意図や感情の理解、自己理解と行動の調整、集団への参加、感覚や認知の特性への対応」に関する項目を盛り込むとしている。このような特別支援教育の今後の方向から、自立活動において自閉症者などへの適切な指導を進めると同時に「人間関係の形成」という新たな区分の内容と指導方法を開発することは、特別支援教育の大きな目下の研究および実践課題であると考えられる。  自閉症者の地域生活を支える日常生活スキルや社会生活スキル、人とのやりとりに関わる言語行動や社会的スキルの発達支援方法の絶え間ない改善や開発の必要性は、上記の特別支援教育の目指す方向からも、今後一層高まっていくと言える。本研究は、自閉症者における言語行動および社会的スキル(以下、言語行動などと略す)の指導法に焦点を当てる。 自閉症者の言語行動などの指導で近年注目を集めている指導法の中から、特にKrantz, P. J.,& McClannahan, L. E. が開発したスクリプトおよびスクリプトフェイディング手続き(以下、S・SF手続きと略す)を取り上げることとする。  今回検討対象とする先行研究は、引用文献中の7研究である。直接関連する先行研究であるが、McClannahan & Krantz( 2005)は、検討対象から除外した。これは、McClannahan & Krantz( 2005)が、研究者、保護者、臨床家および教師を対象にこの指導法を包括的に解説した本のためであり、直接指導介入を実施した研究ではないためである。  McClannahan & Krantz( 2005)によるとS・SF手続きを構成する欠くことのできない要素は、活動スケジュール(McClannahan & Krantz, 1999)、極小録音再生機あるいは文章カードによるスクリプト(台詞)、SF手続き、段階的ガイダンスによるプロンプト、強化手続きなどである。S・SF手続きは、これらの手続きを組み合わせ、指導者や両親などに頼らずに、日常生活の中の自然な手がかりをきっかけとして自閉児者が会話を開始することを促していく指導法である。指導全体を構成するこれらの下位の手続きがそれぞれの役割を果たしながら、結果として効果的な指導法となり、自閉症者の会話スキルを促していると考えられる。   本研究の目的は、S・SF手続きに関する8研究の内、McClannahan & Krantz( 2005)を除いた7研究の指導方法を横断的に比較することでS・SF手続きの実施手続きの多様性と範囲を明らかにすることである。}, pages = {29--41}, title = {自閉症児者における言語行動の指導法 : スクリプトおよびスクリプトフェイディング手続きの検討(1)}, volume = {68}, year = {2009} }