@misc{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00012527, author = {古丽巴哈尔, 马合木提}, month = {}, note = {今、世界は、科学技術の恩恵なしでは進展しない。その中で、理科教育、特に物理教育の重要性は、物理学が科学の基盤になっているため、時代が変わっても変わらぬものがある。しかし、日本にあっても子どもたちは、その物理という科目を中々好きになれない「物理嫌い」の状態に陥って久しい(広井1983)。特に、日本にあっては「ゆとり教育」(臨教審1992、中教審2002)の影響で理科の授業時間数と入試科目の減少等により、物理の履修率が極端に低下して、この「物理嫌い」の問題と相まって、科学技術の基盤が脅かされている。そこで、少しでも多くの子どもに物理好きを増やす環境づくりが必要になっている。本研究室では、長年に渡って、子どもたちの物理力アップに何が必要か研究 (八木2000、押切2008、加藤2009) がなされてきた。その中で、特に「単位あたりの量」という一種の密度の概念の考え方を身につければ、物理は簡単に学習できるはずだという仮説を立てて取り組んできた。この「単位あたりの量」という考え方は、物事を定量化して比較するためには不可欠の手法である。特に物理学の全ての分野において、J/s、Wb/m2など組立単位の全てに共通する考え方で、物理、いや科学の基礎的共通概念であるといっても過言ではない。したがって、その共通する考え方が分っていれば、言い変えると、その思考の枠組みができていれば、例え分野や種類は異なっても、「あー、なんだ同じか」ということで、物理が簡単に見えるはずだという仮説である。この仮説を多様な学校現場、様々な学年で、これまで検証してきた。その結果、それぞれのやり方で一定の教育効果が上がるということが、統計的に有意であると、分ってきた。特に学校種においては、高等学校、中学校、小学校と具体的に実践してきた。それぞれのレベルで、多様なプリント、様々な実験、びっくりデモ実験など交え、教材を豊富にそろえて行った。しかし、これらの実践は、全て日本で行われたもので、いまだ外国では行われていない。そこで、今回は筆者の母国である中国のウイグル自治区の二つの高校で、その仮説を検証する研究を行った。その地区の高校生は、中国の経済的躍進に協力すべく、また、取り残されまいと熱気で満みちている。しかし、実験教材は乏しく、体験のないまま暗記学習に依存するところがあって、物理嫌いも多く、思ったように学習効果が上がっていないという状況があった。本研究は、そういう所での具体的実践で、当初の仮説が、一部だが外国でも検証できるという研究である。}, title = {中国ウイグルにおける物理力アップの実践的研究-思考の枠組み形成の教育実践を通して-}, year = {2010} }