@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00012767, author = {渡邊, 洋}, journal = {思想と文化}, month = {Feb}, note = {概して作家というものは,直接・間接を問わず先輩および同時代の諸家の恩恵を被っている。意識的に「模倣」することもあれば,無意識のうちに「影響」を受ける場合もあるだろう。 アメリカ人を両親に今世紀とともに生を受けたフランスを代表する現存のカトリック作家ジュリアン・グリーンは,実際の交友関係こそ広いとはいえないが,一日の数時間を必ず読書に充てるという本を介しての文人たちとの 交流は決して人後に落ちるものではない。グリーンが授けられた学校教育は,ヴァージニア大学在籍の二年半余を除いて,生まれ育った国フランスにおけるものであった。もっとも,幼時から英語を解し,アングロ・サクソンの教養を身につけていた彼が,長じて「母の国」アメリカの先輩作家たちに心惹かれていったのは当然のことであった。他のフランス作家にはみられないグリーンの作品がもつ特異な雰囲気,そのすべてをアングロ・サクソンの文化的背景に負っていると考えるのはあまりにも短絡的であるとしても,この作家が故国の先達に異常ともいえる関心を抱いていたことは否定できない。ピエール・ブロダンもこの点に関して「アメリカ作家のなかで彼を魅了したと思われる四人は,ホーソン,ポー,エマ-ソン,後にフォークナーである.」1)と指摘している。ホーソンとの関係については「ナサニエル・ホーソンとジュリアン・グリーン」(『比較文学』,第16巻,日本比較文学会)と題してすでに取り上げたのでこの小論ではポーに限定して論じることにする.}, pages = {93--106}, title = {エドガー・アラン・ポーとジュリアン・グリーン}, year = {1986} }