@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00012777, author = {八重樫, 喬任}, journal = {思想と文化}, month = {Feb}, note = {ロシアにキリスト教(ギリシャ正教)が公的に国教として入ってより間もない11,12世紀ごろのロシアのキリスト教世界の実体について,教会(ロシア正教会)と民衆を中心にして考察を試みたいと思うが,教会と民衆との両者のいわば接点に位置する聖職者である司祭に主に焦点をあてて探求することにする。 司祭,就中主教区の中の各々の教会に配属される在俗の白僧司祭(黒僧である修道司祭と対)こそは,末だ十分にキリスト教化していたとは決して言ええない11,12世紀当時の民衆世界にとり囲まれて,まだ色濃く残存していた異教的要素を根絶すべき使命をになった教会尖兵であった,と言いうる。在俗司祭は,いわば異教の大海中の一点となって散開孤立して異教的民衆に立ちむかった第一線の歩兵隊長であった。加えて,司祭がその任務を曲りなりにも成しとげるためには,彼自身が自分の中にひそむ異教の誘惑をまず以て切り伏せなければならない,という二面作戦を強いられたキリスト教武装者であった。 我々の利用しうる文献史料は決して多くはない。辛うじて十指を屈するに足りるにすぎないが,ともあれ触知しうるかぎりのところを述べることにする。}, pages = {245--257}, title = {中世初期ロシアにおける教会と民衆}, year = {1986} }