@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00012823, author = {長野, 俊一}, journal = {言語と文化}, month = {Mar}, note = {T.トドロフはその『地下室の手記』論1)の題辞として,ニーチェとジイドの余りにも有名な証言のあとに,G.スタイナーの「ドストエーフスキイの小説のうちで20世紀の思想と手法に最も大きな影響を与えたのは,『地下室の手 記』である」という一節を掲げ,今世紀を特徴づけるドストエーフスキイ神話に占める『地下室の手記』,この類稀なる文学テクストの中心的位置を確認している。ドストエーフスキイの今日的な読みとは,「作家の<思想>と<手 法>を,そのいずれをも不当に特権化することなしに,同時に見ることである」2)と主張するトドロフにとって,『手記』を文学形式の範囲内で哲学問題にすぼらしい解答を与えた作品とみなし,そこにアリストテレス流の「思想」と「筋立て」の融合を認めたスタイナー説は,両者の批評的立場の明らかな相違にもかかわらず,テクスト理解のための貴重な分析視角を与えてくれるものであり,彼自身によるテクスト分析の出発点となった。}, pages = {231--245}, title = {言説のドラマ-『地下室の手記』-}, year = {1993} }