@techreport{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00012975, author = {寺田, 元一}, month = {Jan}, note = {昭和63年度教育研究学内特別経費研究報告, 一九八九年は、日本の政治と政治をめぐる文化状況を象徴するような事件を刻み込んで過ぎていく。昭和天皇の死・大喪、新天皇の即位、昭和から平成へ、消費税導入、リクルート事件による竹下内閣の倒壊・・・・。われわれがフランス革命二百周年を祝うのはこうした地盤においてである。祝福さるべき革命は、共和国の実現、共和暦の制定、免税特権の廃止などを実現した。この対照! しかし、われわれがフランス革命の意味をあらためて問い直すのは、どちらが参照枠になるにせよ、両者が己を対照し合うこの空間でなのだ。 さて、歴史研究は資料の発掘や学会の動向にも影響されるが、現代の政治・思想の潮流や研究者の政治・思想的立場に影響される。フランス革命研究の場合、対象が対象であるだけにそれはいっそう顕著である。であるがゆえに、フランス革命研究者による研究動向の紹介とは多少とも別の観点から、私のような思想史研究者が現代思想との関連で最近の革命解釈の特徴を検討するのも無駄ではなかろう。ただし、本稿は単なる中間的な報告にすぎない。革命研究の動向についても、現代の政治・思想状況についても、両者の連関付けについても、筆者のフォローはほんの一部分にのみ及んでいるだけであり、すべて後に必要な補完を行って一応のまとめをつけていかなければならない。 本稿の前半部では、フランス革命の最近の研究動向について、仄聞した範囲内において検討を加える。後半部では、フランソワ・フユレ『フランス革命を考える』とリン・ハント『フランス革命の政治文化』の二研究を取り上げて、細部に亙る分析を行う。数ある研究書の中からこの二者を選んだのは、どちらも新しい革命史研究の方向を示すものとして、評判が高いからである。ミシェル・ヴォヴェルとモナ・オズーフも扱う予定であったが、準備不足で割愛した。}, title = {フランス革命解釈と現代思想をめぐって}, year = {1989} }