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高校生の進路決定におけるモラトリアムの消極的側面について
https://doi.org/10.15113/00013019
https://doi.org/10.15113/0001301973deeb11-f39c-4581-b61a-9b9ae6884e28
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||
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公開日 | 2015-10-29 | |||||||
タイトル | ||||||||
タイトル | 高校生の進路決定におけるモラトリアムの消極的側面について | |||||||
著者 |
山崎, 功一
× 山崎, 功一
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著者(その他) |
現代行動科学会誌編集委員会
× 現代行動科学会誌編集委員会
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著者(機関) | ||||||||
特別養護老人ホーム大谷荘 | ||||||||
キーワード | ||||||||
主題Scheme | Other | |||||||
主題 | モラトリアム意識 | |||||||
キーワード | ||||||||
主題Scheme | Other | |||||||
主題 | フリーター | |||||||
キーワード | ||||||||
主題Scheme | Other | |||||||
主題 | 新しいモラトリアム心理 | |||||||
キーワード | ||||||||
主題Scheme | Other | |||||||
主題 | 高卒進路 | |||||||
Abstract | ||||||||
内容記述タイプ | Other | |||||||
内容記述 | 現在の高校生の進路決定を考えるにあたり、これまで社会問題とされてきた「受験戦争」あるいは「受験地獄」といった言葉であらわされてきた選抜的な進路分化が、以前ほどの説明力をもちえなくなってきている。その最も重要な理由として、高卒進路を取り巻く環境がここ数年で大きく変わったことが挙げられる。 最近の高卒進路の動向をみてみると、18歳人口の急減により高等教育への接続は格段に容易になった。高卒直後の就職難はこれに拍車をかけ、今までは進学をしなかった層、たとえば職業高校出身者も専門学校を中心とした進学へと、進路の方向が大きく変わってきている。その結果、現在日本の高等教育は「大衆教育社会(苅谷, 1995)」や「高等教育のユニバーサル化(牟田, 1997)」と呼ばれるに至っている1)。 こうした変化と並行する形で、最近では学校卒業後も定職につかない、いわゆるフリーターと呼ばれる若者の増加が注目を集めている。フリーターの定義はいまだ確立されていないようであるが、平山(2000) はいくつかの定義を検討した結果、「定職に就かず、パート・アルバイトのみで生計を立てるという点で一致している」との結論に達している。この定義に従えば、年代層や過去の経歴といった点で幅広い層が含まれうるが、一般的にフリーターといった場合に含まれるのは、10代後半から20代の青年期の若者が中心であろう。 フリーターが単に一過的な流行ではなく、社会的にも非常に関心が高まっていることを裏付けるように、文部省は今年の2月から3月にかけて、高卒直後にフリーターとなった者を対象に初の調査を行なった。詳細な分析は現在進行中であると思われ注目されるところであるが、報道されている内容だけみても、非常に興味深い結果となっている(岩手日報,平成12年8月29日)。 1999年にフリーターになった者のうち、64%が高校在学中は就職希望であり、そのうちフリーターになった理由として「採用されなかった」が51%であった。またフリーターになったことについては、「真剣に努力すれば良かった」が21 %、「やりたいことが分からなかったからやむを得ない」が22%となっており、目的意識が低いこと、あるいは進路が未確定な者が多かっ た。これに対し、「進学や就職以外にやりたいことがあった」とする者は26%で、高卒直後にフリーターになった者に限っていえば、消極的な理由によってフリーターとなった者が大半を占めている。 こうした状況から、これまで進路研究の中で幾度となくとりあげられてきた「モラトリアム意識」も変化していると推測できる。青年期のモラトリアムは本来の意味では、成人社会へ参加するための準備期間である。そこには「脱皮と飛躍」、「不安定と動揺」といった特徴が含まれるが、いずれも進路に対する積極的関与が前提にある2)。これは小此木(1981)がいうところの「旧来のモラトリアム心理」にあたる。 小此木は「旧来のモラトリアム心理」は確固としたオトナ社会の存在を前提としているが、現代社会においては青年期とオトナ期の境界が不明確になっていることから、モラトリアム心理もまた変化しているいることを指摘し、これを「新しいモラトリアム心理」と呼んだ。「新しいモラトリアム心理」は、半人前として捉えられていた青年期の価値が上昇したことによって生じた。この青年期の価値の上昇は、いわゆる若者文化を生み出し、同時に青年期の延長をもたらした。その結果、「不安定と動揺」といった旧来の消極的な特徴は薄くなり、「解放感」や「全能感」とし、った特徴が強く表れるようになった。 これに対し、社会人になる前に一定の期聞をおくのは同様であるものの、無気力や展望のない進路決定といったモラトリアムの消極的な側面だけを備えた若者が増加しているようである。「新しいモラトリアム心理」には、モラトリアムを肯定し、青年期を大いに楽しもうとする態度が含まれる。これに対して、後に論じていくモラトリアムの消極的側面を多く備える若者は、そうした態度決定にはまだ至っていないように思われる。いわゆるフリータ一志向は、このモラトリアム意識の消極的側面と重なる部分を多くもつものであろう。 そこで本論では、高卒進路を取り巻く環境が変化する中での、高校生の消極的、あるいは状況適応的な進路決定に注目し、彼らの進路に対する意識の分析を通してその現状を考えてみる。またその中で、上述したようなフリータ一志向とモラトリアムとの関連についても、垣間みてみたいと思っている。以下では、高校生を対象とした調査結果から、本論の趣旨に沿ったものをいくつか紹介していく。研究の理論的背景については、別稿にまとめているのでそちらを参照されたい3)。 |
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出版者 | ||||||||
出版者 | 現代行動科学会 | |||||||
登録日 | ||||||||
日付 | 2015-10-29 | |||||||
言語 | ||||||||
言語 | jpn | |||||||
資源タイプ | ||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||
著者版フラグ | ||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||
ID登録 | ||||||||
ID登録 | 10.15113/00013019 | |||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||
NCID | ||||||||
収録物識別子タイプ | NCID | |||||||
収録物識別子 | AA11844564 | |||||||
書誌情報 |
現代行動科学会誌 巻 16, p. 12-18, 発行日 2000-10-01 |
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ISSN | ||||||||
収録物識別子タイプ | ISSN | |||||||
収録物識別子 | 13418599 |