@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00013045, author = {現代行動科学会誌編集委員会 and 川原, 正広 and 松岡, 和生}, journal = {現代行動科学会誌}, month = {Oct}, note = {日常記憶とは、日常生活場面における人間のさまざまな記憶過程や記憶行動を含む広範な概念である。近年、認知心理学の領域では、自然な日常生活場面での記憶特性についての関心が高まっている。日常記憶研究では、「展望記憶」や「自伝的記憶」、「行為や動作の記憶」などのテーマが研究の対象とされており、これらのテーマに関する興味深い研究が数多く行われている(e.g., Berntsen, 1996, 1998:Harris, 1980:Harris & Menzies, 1999:Nilsson & Cohen, 1988:Brewer, 1986)。  ところで、これまでの日常記憶に関する研究で採用されている研究手法を概観すると、おおよそ日誌法を用いた調査研究と質問紙法を用いた調査研究に2分される。日誌法による調査は、被験者に常に手帳を携帯させて日常記憶活動を調査することで個人の記憶特性を捉えようとするものである(Berntsen, 1996,1998:Bure, Mackay, Worthey & Wade, 1991)。一方質問紙法による調査は、個人の日常記憶についての自己報告を求め、日常生活での一般的な認知的行動特性と記憶特性の関連性を捉えようとするものである。日常記憶に関する質問紙についてHerrmann(1982, 1984)は、日常生活での記憶特性を測定する質問紙は大きく分けて、日常生活内での知識や出来事の再生・再認を求め、その能力を測定する記憶質問紙(memory questionnaire)と、個人が日常で経験した出来事や物に関する知識をどのように受けとめているかを尋ねるメタ記憶質問紙(metamemory questionnaire)の2つに分類されると述べている。  これら2種類の記憶質問紙の記憶質問紙の中で後者のメタ記憶質問紙で測定されるメタ記憶とは、一般に、記憶にかかわる個人の認識や知識のことを指し、メタ認知の下位概念として位置づけられる記憶である(清水,高橋,齋藤,2006)。メタ記憶には、記憶に関わる知識や記憶方略の実行、現在の記憶活動の監視などのモニタリングの機能と、意思決定や予測、判断に関わる情報の選択に関わるコントロール機能の2種類の機能が想定されている(清水,2001)。したがってメタ記憶とは、記憶システム内に存在する情報や知識そのものに関する概念というよりも、記憶が持つ機能的な概念であると考えられる。そして日常生活場面での記憶活動の監視・制御の役割を担う制御機構としての位置づけが強調されている記憶であることから、作動記憶における実行機能に近い概念と言うこともできるであろう。本研究は、日常記憶として分類される様々な記憶特性の中でもこのメタ記憶に着目し、失敗行動を中心とした日常生活での行動特性との関連について検討したものである。}, pages = {1--23}, title = {日常生活における行動特性とメタ記憶の関連性―失敗行動を中心とした検討―}, volume = {25}, year = {2009} }