@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00013053, author = {現代行動科学会誌編集委員会 and 阿部, 紗希 and 織田, 信男}, journal = {現代行動科学会誌}, month = {Sep}, note = {風景構成法(Landscape Montage Technique:LMT)は、1970年に中居久夫によって発表された絵画療法のうちの一技法であり、一般に「アイテム」と呼ばれる10の項目の名(川、山、田、道、家、木、人、花、動物、石)を「見守り手」と称される施行者が一つずつ言い、描き手が描画用紙に一つずつ描いていくという手順で行われる(佐々木,2005)。風景構成法は非言語的コミュニケーションの一手段として考案、開発され(弘田,1986)、現在でも病院臨床領域、福祉領域、司法領域、学校での学生相談領域など様々な臨床実践の場で用いられている。項目を逐次提示し、それに対し描き手が風景を構成してゆくというやりとりのなかで行われる技法であり、その関係性のなかから、描き手の心理的特徴が把握され、それが治療に活かされてゆく(皆藤,1994)点で、描画法のなかでは療法的な側面も強い技法である。皆藤(1994)は心理療法のなかで風景構成法を使用する目的として、箱庭療法への導入の適応決定の判断材料とすること、初回面接ないしは治療の初期に施行しクライエントの病理水準や内的問題を把握する一助とすること、芸術療法の一技法として治療的に用いることの3つを挙げた。風景構成法を心理療法のなかで用いた事例研究は、神経症的登校拒否の描画について検討した研究やセラピストの主体的関与について検討した研究と幅広く多くの臨床家によってなされてきた(弘田・長屋,1988;浅田,2008)。心理療法のなかで風景構成法を用いる場合においても、たとえば初回面接において本法を施行し、作品から描き手の病態水準や今後の治療の指針を把握することがあるわけであり、アセスメントと治療を切り離して考えることは出来ないと皆藤(1994)は指摘した。  アセスメントとして風景構成法が用いられる場合には、性格検査や知能検査といった他の検査とのテストバッテリーを組んで用いられることが多い。発達との関連を検討した研究、病理との関連をみた研究、性格特性との関連をみた研究など、様々な視点から研究が行なわれてきた。特に発達的視点を持つ研究では、山中(1984)が発達的側面における風景構成法の特徴をいくつか挙げ、弘田(1986)も幼稚園年長児から大学生までの計284名を対象として風景構成法の各アイテムの発達的特徴を指摘した(表1)。具体的には、遠近法の導入・立体描写といった写実的な表現は小学4年生において増加し、中学生でさらに急増すると同時にその出現率が最も高くなること、また、「大きな面積を持った田」「針葉樹の育つさびしい空間」が中学生以後増加する点、大学生男子において「急峻な稜線を持つ青い山」が多くみられることなど、発達の変化にともなう各アイテムの特徴的な描画表現が報告された。}, pages = {1--10}, title = {風景構成法作品と抑うつ・不安との関連1}, volume = {29}, year = {2013} }