{"created":"2023-05-15T12:07:55.871050+00:00","id":13056,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"bbb06eb4-1991-456a-a53f-a5985d77efbf"},"_deposit":{"created_by":3,"id":"13056","owners":[3],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"13056"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00013056","sets":["1672:1687:1689:1690"]},"author_link":["80833","80832"],"item_41_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2015-06","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"10","bibliographicPageStart":"1","bibliographicVolumeNumber":"24","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"岩手大学大学院人文社会科学研究科研究紀要"}]}]},"item_41_date_6":{"attribute_name":"登録日","attribute_value_mlt":[{"subitem_date_issued_datetime":"2015-09-02"}]},"item_41_description_12":{"attribute_name":"Abstract","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":" 「認知療法」は,A.T.Beckによって提唱された心理療法であり,精神疾患の治療法として世界的に注目されている心理療法である(大野,2011)。認知療法は当初うつ病に対する治療法として提案されたが,その後実証性の高い検討手法を用いた研究と臨床現場での多くの実践活動によって,うつ病の他にも不安障害やパーソナリティ障害,統合失調症など多くの精神疾患の治療や再発の予防に効果的であることが明らかになった(福井,2008)。さらに認知療法は最近,社会人に対するストレスマネージメントの講習会や,管理職に対する復職支援の研修会,学校での生徒指導などでも活用され,日常生活に関する心理教育に取り入れられている。\nこれまでの認知療法の治療では,どちらかというと言語的思考に焦点を当てた治療が多く行われてきた。しかしながら海外に目を向けると近年Journal of behavior therapy and experi-mental psychiatry(2007)やMemory(2004)などにおいて心的イメージを用いた認知療法の特集が組まれたり,心的イメージを用いた認知療法の介入手続きのガイドラインを示した書籍が出版され,心的イメージを用いた認知療法に対する関心が高まりを見せている。この認知療法における心的イメージ研究の動きの中心となっているのがOxford大学のEmily,A.Holmesらの研究グループである。\nHolmesらの研究グループは,これまでポジティブシナリオを用いた指定イメージ法に関する研究を中心にイメージ訓練が主観的な感情体験に与える影響について研究を行ってきた。たとえばHolmes,Mathews,Dalgleish,& Mackintosh(2006)やHolmes,Lang,Moulds,& Steele(2008a)は,ポジティブな状況を示したシナリオに関してイメージ想起を行う視覚情報処理群とシナリオで使用されている用語に注意を向ける言語情報処理群という2つの実験群を設定し,シナリオに関する情報処理の違いが主観的な感情体験に与える影響について検討を行っている。Holmesらはこの研究の中で,言語的な情報処群の実験参加者よりも,視覚情報処理群の実験参加者の方が実験の前後で状態感情の変化が大きいことを示し,感情体験に対してイメージ想起を用いた視覚情報処理が強い影響力を持つ可能性を指摘している。\nまたHolmes et al.(2006)と同じシナリオを用いて,イメージ想起を行う際に用いるイメージ視点の要因が主観的な感情体験に与える影響を検討したHolmes, Coughtrey,& Connor(2008b)は,自分の目からその光景を眺めているような観察的なイメージ視点を用いたイメージ想起よりもポジティブ感情を上昇させ,ネガティブ感情を低下させる結果を報告し,イメージ想起を行う認知療法的な介入では,クライエントが用いるイメージ視点の要因を十分に考慮しながら介入を行う必要があること指摘している。\nしかしながら主観的な感情体験に対するイメージ訓練の効果を検討したHolmesらの研究(Holmes et al.,2006,2008a,b)にはいくつかの問題も存在する。その一つの問題点としてHolmesらが実験で用いたシナリオの妥当性に関する問題が考えられる。たとえばHolmesらは実験参加者がシナリオをイメージ想起するたびに,イメージしたシナリオの状況をどの程度理解できているかシナリオの状況に関する理解度を尋ね,その質問に対する解答結果から用いたシナリオの妥当性を保障している。しかしながら,シナリオの状況に対する感情的な印象やシナリオの状況をイメージする難しさ,思い浮かべたイメージの鮮やかさなどの要因はイメージ訓練の効果に対して直接的に影響することが推察される。そのためHolmesらが実験で使用したシナリオに関しては妥当性の検証が不十分なように思われる。\nまたHolmesらが用いたシナリオの内容を見ると,日々の生活の中で誰もが経験するような出来事に関するものが多い。だが,日常生活の出来事に関する認知的評価にはその国の社会・文化的な背景が大きく影響する(平田,2010)。またライフイベントの認知的評価に関わる楽観性や抑うつ性などのパーソナリティの傾向や認知スタイルなどの情報処理の傾向は欧米を中心とする西洋人と日本人を含む東洋人の間で異なるという知見(井田・渡邊,2006;嘉数・井上・當山,1998;Nisbett, Peng, Choi,& Norenzayan,2001)も存在する。これらの異文化間研究の知見を考慮するとHolmesらが研究で用いたシナリオに対する感情的評価や認知的評価は西洋人と日本人の間で異なることも考えられる。そのため,Holmesらが作成したシナリオを本研究で行うイメージ訓練にそのまま使用すると,実験参加者が本来肯定的な場面であるはずのシナリオの状況を否定的な状況と解釈してしまい,イメージ訓練の効果が十分に得られなかったり,逆に実験参加者の感情状態を悪化させる可能性も考えられる。\nそこで本研究ではシナリオを用いたイメージ訓練が主観的な感情体験に与える影響について検討することを目的に,はじめに日本人を対象としたイメージ訓練で使用する日本語版のポジティブシナリオの作成を行った。その後,作成した日本語版のポジティブシナリオを用いた指定イメージ法によるイメージ訓練が,訓練後の感情状態に与える影響について検討を行なった。","subitem_description_type":"Other"}]},"item_41_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{}],"names":[{"name":"KAWAHARA, 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