@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00013134, author = {塚本, 善弘}, journal = {アルテス リベラレス}, month = {Mar}, note = {本誌第92号所収論文(塚本,2013=前稿)で詳述したように,国内他大河河口に見られない広大なヨシ原を中心とする自然生態系・景観が残されていた北上川河口域地域(宮城県石巻市;旧北上町・河北町)は,三陸沖を震源に2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と随伴する大津波の深刻な影響を受けた。同市が最大の被災自治体となった東日本大震災は,発生2年半が経っても,北上川河口域や周辺海域(同川流出先=追波湾)の生態系,周辺地域社会にインパクトを与え続け,高台移転先など用地の不足・取得難や人手・資材不足等から,住宅再建を始め復旧・復興が遅れ,他地域居住希望住民も少なくなく,更なる人口流出・減少も憂慮されている。こうした中,生態系・自然資源や地域再生を域内の人的・経済的資源だけで図るには限界があり,鍵を握るのは域外からの支援(定住人口減を補う交流人口増による地域づくり)と考えられ,実際,河口域周辺生態系や関連産業復活・再生に外部支援が一定の役割を果たし,成果を上げ始めている。他方で震災前,河口周辺から北上川上・中流域社会への「濁流問題」提起――増水時の流木・ごみ大量流下に伴う河口周辺漁業被害等の告発――を受け,河口周辺と上流域との官民双方,あるいは官民協働による水環境をテーマとした流域間連携・交流活動も盛んに行われていたが(塚本,2009),連携・交流に基づく流域管理体制構築への動向を再度軌道に乗せ,それらを河口周辺生態系の保全・活用や河口域地域再生・復興に繋げていくことも重要になってこよう。そこで本稿では,前稿の続編として流域間交流・連携を中心に,主に震災後の河口域外部からの支援の動向を把握・整理し,河口周辺自然生態系・景観,更には流域全体を(流域民皆にとっての)「コモンズ」として保全・再生していく上での課題を改めて検討する。こうした作業を行うことで,前稿に引き続き「災害型の環境破壊」(舩橋,2011:191)に対する社会学的研究,ひいては今後の「コモンズ」研究の一助に出来れば幸いである。}, pages = {81--107}, title = {流域連携・交流による災害からの「コモンズ」再生 : 東日本大震災前後の北上川河口を中心とする動向と課題}, volume = {93}, year = {2014} }