@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00009004, author = {井良沢, 道也 and 角田, 皓史}, journal = {岩手大学農学部演習林報告}, month = {Jun}, note = {一般に,春先に大量に供給される融雪水は,すべり面の間隙水圧を上昇させ,地すべり発生の誘因となりうる。融雪に起因した地すべりの例として,1997年5月11日に,秋田県鹿角市八幡平字熊沢国有林内で発生した,澄川地すべりが挙げられる。この地すべりは,斜面長650m,幅150~350m,すべり面深度50~70m,滑動面積約17ha,地すべり土塊量約600万㎥の大規模なものであった。澄川地すべりの末端部崩壊を起因とする土石流も発生し,2温泉(16棟)が流出した。 本研究で対象とした八幡平地すべりでは,土砂移動が発生するのは融雪期に限られ,夏季の豪雨に対しては,ほとんど移動しない。一方,新潟県の地すべり対策工が施工されていない第三紀層地すべりでは,融雪初期に移動を開始するタイプや積雪初期から移動を開始するタイプも多くある。また,北海道中央部に位置する稲里地区では,地すべりの一種である,移動体が塑性変形しながら流動するアースフローが,強度の高い降雨時のみ発生し,その他の時期には発生しないことが報告されている。以上から,対象とする地すべりの地質,対策工の有無,および気象条件などを考慮し,地すべりごとの移動特性を把握することが,効果的な地すべり対策および地すべり災害防止のために重要である。 現行の地すべりに対する避難基準は,地表や地中伸縮計変動量(以下,移動量と略記)をもとに設定されていることが多い。崩壊と比較して地すべりの移動速度は,0.01~10mm/dayのものが多く,一般に移動速度は小さいものの,事前に土砂移動の発生を予測することができれば,より安全な警戒避難体制の構築が可能になる。 そこで,融雪水量の予測から地下水位上昇の予測を行い,さらに,土砂移動の予測につなげていく必要がある。そこで,本研究では,八幡平地すべりで観測された地下水位,パイプひずみ計変動量,および移動量のデータを用いて,当地すべりの移動特性について検討し、「移動量と地下水位の関係」および「地下水位と融雪水量の関係」を解析した。}, pages = {85--101}, title = {岩手県八幡平地すべりの移動特性}, volume = {44}, year = {2013} }