@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00009018, author = {関野, 登 and 谷内, 博規}, journal = {岩手大学農学部演習林報告}, month = {Jun}, note = {アカマツ(Pinus densiflora Sieb. et. Zucc) は,裸地,崩壊跡地,伐採跡地などに侵入し て二次林を形成することが多く,痩せ地,乾燥した尾根および湿地にも生育できる樹種である(1)。我が国のアカマツは,青森県から鹿児島県の屋久島まで天然分布し,その森林面積は約195万haで(2),我が国の森林面積の約8%を占める。一方,岩手のアカマツ資源に着目すると,その森林面積は全国アカマツ林の11%を占め(2),蓄積量は県内民有林だけでも4300万㎥以上であり(3),全国でも最大規模となっている。また,岩手県の統計資料(2008) によれば(4),アカマツ人工林では40年生に極大値をもつ分布となり,今後10年程度で多くの林分が用材伐出の適期を迎える。一方,天然林では60年生以上が4割以上を占め,すでに天然林の多くは伐期に達している。 以上のようなアカマツの資源的背景から,岩手県久慈地域に産学官による「南部アカマツ振興センター」が2008年7月に設立された(5)。同センターはアカマツを活用した県北沿岸の地域活性化を目的に,アカマツ素材生産者と製材工場の連携,産学官民共同による市場調査や販売促進活動を実施し,県内外へのアカマツ製品の販路拡大に取り組んでいる。さて,アカマツは古くから建築用材として活用されてきた。主な用途は太鼓梁や平角材に代表される構造材であるが,羽目板内装材や床板などの製品もある。さらに最近では針葉樹合板の中芯単板としても使用され始めた。しかし,豊富なアカマツ資源の活用を促進するには,さらに多くの用途開発が望まれる。そこで本研究では,特殊形状のアカマツに着目し,その高付加価値利用を目指す。すなわち,アカマツには写真1のように幹の途中から美しく対称的に二股分岐する個体が稀にあるが,このような二股部分を含む意匠丸太柱 として製品化することを試みた。 ところで,木造住宅の長寿命化には耐久性の高い材料の選択,雨仕舞いや結露防止対策などの施工技術に加えて,適切な保守管理が重要である。保守管理を適切に行うには,家に対する住まい手の愛着も必要と思われる。住宅への愛着は様々な要因で生まれるが,家の中の楽しい空間は愛着を育む可能性をもつ。本研究で開発する意匠性の高い天然木は,遊び心溢れる場所を創造する可能性があり,住宅の長寿命化にもつながる可能性がある。 さて,アカマツ二股丸太による意匠柱の開発に向けては,以下のような検討事項があげられる。 (1)施主や工務店などに対するニーズ調査 (2) 二股材の形態および現存量の調査 (3) 造材方法の最適化や伐採・搬出コストの検討 (4)はく皮の効率化・乾燥技術・青変防止の検討 (5)施工例・施工マニュアルの整備と販売・流通方法の検討 本稿では,アカマツ二股丸太による意匠柱を全国規模での住宅関連展示会に出展し、来場者へのアンケートによってニーズ調査を行ったので,その結果を報告する。}, pages = {57--66}, title = {アカマツ二股丸太を用いた意匠柱の開発(第1報)―アンケートによるニーズ調査―}, volume = {42}, year = {2011} }