@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00009023, author = {國崎, 貴嗣}, journal = {岩手大学農学部演習林報告}, month = {Jun}, note = {本研究では,いわて環境の森整備事業施工地のスギ人工林を対象に,502個の暫定標準地データを用いて込み合い度を推定するとともに,直径分布から林分構造特性を明らかにした。林分胸高断面積や本数密度の解析から,暫定標準地の過半数でha当たりの林分構成値が過大推定になっていると考えられた。3つの仮定に基づき,標準地面積を補正した結果,全体の7割以上において自己間引きが発生する密度階に,全体の9割において林木間競合が生じている密度階に達していると推定された。中庸な密度階は全体の1割を占めるに止まった。その平均林齢も,自己間引きが発生する密度階のそれに比べて5年若く,旺盛な成長により,今後,急速に過密化していくと推察された。胸高直径の歪度と変動係数の解析から,暫定標準地における直径分布は,自己間引きが発生している状態を反映していた。枯死木の発生を抑制するとともに,林内光環境を改善し,下層植生の繁茂を確実にするためには,明らかに強度間伐が必要である。いわて環境の森整備事業の実施直後には,暫定標準地の林分構造は一般的な間伐林のそれに近づくと考えられる。ただし,当該事業による強度間伐だけでは,針広混交林に誘導するのは困難である。これは,当該事業の設計段階では十分と想定されていた間伐率が,実際には針広混交林に誘導できるほど,十分に高くなかったためである。胸高断面積間伐率に基づき机上計算した結果,胸高断面積間伐率が40%であれば,中庸の密度階に達するものの,胸高断面積間伐率20~30%では,林木間競合は当該事業後も持続すると推定された。針広混交林を目標林型として,当該事業施工地を引き続き育成するには,当該事業実施後に,追加の間伐を実施する必要がある。森林・林業再生プランに基づき,森林計画制度や森林整備事業のあり方も変更され,林業事業体では施業の集約化をさらに推進することが期待されている。当該事業施工地については,今後,政府の森林整備事業を活用しながら,地域の林業事業体が引き続き集約化を図りつつ,整備に関わっていくことも重要であろう。}, pages = {53--67}, title = {粗放的に管理された岩手県内スギ人工林の込み合い度と直径分布特性}, volume = {44}, year = {2013} }