@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00009088, author = {下野, 裕之}, issue = {4}, journal = {日本作物学会紀事}, month = {Jan}, note = {地球温暖化がイネ生産に与える影響の正確な予測は極めて重要である. 本研究では将来の地球温暖化が北日本のイネの収量変動に与える影響について(1)過去の気温傾向, (2)過去のイネの収量傾向, (3)簡易なモデルによる予測から解析した. 過去70年間の日本の各地での気温傾向をみると, 年平均では0.2℃(10年換算)の上昇が認められた. しかし, 季節間で昇温傾向が異なり, 夏の昇温程度が他の季節に比べ, 特に北日本で小さかった. 品種ササニシキを北日本の同一栽培条件で生育させた収量の推移(26年間)をみると, 16g m-2(10年換算)の割合で増加するものの, その年次変動は近年やや増加する傾向にあった. 最後に, さらに温暖化傾向が進行した場合を想定し, 簡易なモデルを用い, イネが幼穂形成期間中に受ける低温程度の指標として冷却量を算出した. 「夏も春と同程度に昇温する」条件では既存の予測と同様に温暖化により冷却量を低下させたが, 観測された気温傾向を反映させた「春は昇温するが夏は昇温しない」条件では1℃の昇温で冷害強度を16%増加させることが予測された. 以上, 現在, 徐々に進行している春の昇温傾向は, 冷害強度の上昇を介し北日本の収量変動を高める可能性があり, 品種・作期を最適化させる必要を示した.}, pages = {489--497}, title = {地球温暖化が北日本のイネの収量変動に及ぼす影響}, volume = {77}, year = {2008} }