@article{oai:iwate-u.repo.nii.ac.jp:00009846, author = {大竹, 照光 and 大塚, 尚寛 and 齋藤, 貢 and 鳴海, 貴之}, issue = {155}, journal = {骨材資源}, month = {Jan}, note = {従来の露天採掘跡残壁の修復緑化では、土砂の流出防止や残壁の安定を第一条件とした上で、周辺景観との調和を図る観点から、斜面部には樹木を導入せずに草本やツタ植物類で緑化し、樹林化は小段だけを対象としてきたl)。これは、斜面部が裸地化した急傾斜岩盤斜面で樹木の導入が容易ではないことから、事業の成立と修復緑化が経済的に見合うことを考慮した施策であったといえる。 しかし、斜面部に草本類だけを導入する緑化法は、樹木の場合に比べて斜面の安定維持機能が低いことや景観面での違和感が残るなどの問題点が指摘されていた1)。また、近年では人々の環境問題意識の高揚と相まって、残壁の修復緑化は、周辺景観や地域の生態系と調和した植物群落の回復を目指す、より質の高いものとすることが求められている2)。 これらのことを背景として、本研究では、小段だけに樹木を導入する方法を一歩進め、斜面部にも樹木を生育させることによって、残壁全体に周辺と同等の在来の植物群落の形成を目指す緑化法の開発を行うた。この緑化法を本研究では「自然回帰型修復緑化」と呼ぶこととする3)。 自然回帰型修復緑化を実現するためには、残壁全体に樹木を生育させるための植生基盤の造成が不可欠となる。しかし、発生源が不明な土壌や地域外の土壌を持ち込み造成することは、在来の生態系保全の面から好ましくなく、自然回帰型修復緑化では避けるべきである。そこで本研究では、その土地の森林表土に着目し、植生基盤として造成することを考えた。森林表土は地域の遺伝子を保有する埋土種子集団(シードバンク)を含むことから、生態系保全のための緑化材料としては理想的と考えられる4)。 本研究では、まず、自然回帰型修復緑化を進める観点から、実際の森林地山において植生基盤を成している森林表土の工学的特性の調査解明と、それを残壁に安定造成するための理論的検討手法を開発した。つぎに、修復緑化過程を評価する観点から、緑化シミュレーションを適用した景観評価実験を実施することにより、自然回帰度を把握するための評価システムを構築した。 本研究は、残壁の修復緑化に求められる社会的要請に応え、美しい国土を回復し、生物多様性に富む生態系の保全に寄与するものとして、今後の残壁に対する修復緑化施策の方向性を示すことを目的としている。}, pages = {149--159}, title = {露天採掘跡残壁の自然回帰型修復緑化法の開発と評価システムの構築}, volume = {39}, year = {2007} }